今は出来ない親孝行
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ご家庭のハウスクリーニングをする事によって甦る数々の思い出とお伝えすることで、多くの皆様が楽しく気軽にハウスクリーニングをしていただけるきっかけになればと思います。
今回のお話はコチラです。
今は出来ない親孝行
たこべる さんより
今年で、40代になる、ある兄弟の話です。
先日、父が亡くなって、僕と兄と母親で実家の片付けをすることになりました。
亡くなった親父は、どちらかと言えば、昔気質の人間でして、僕がすることに、あまり関心もなく、仕事人間で、日曜日も仕事でいないことが多く、たまの休みの日にいる時も、ビール片手にゴロゴロと寝ていたような男でした。
高校の頃は、昔気質の感じが嫌で、よく喧嘩しており、親父の言うことに反発ばかりしていました。
卒業後、上京してからもう20年近く、ほとんど実家に寄っていません。結婚してから、兄から言われたこともあって、正月に立ち寄るぐらいです。
年を取ってからは、なかなか掃除も行き届かないので、年に一度は口コミで紹介してもらったハウスクリーニングにお願いして、掃除しているので、基本的には綺麗な家です。
ただ、親父の部屋の押し入れを開けてみると、なんでも捨てることの出来ない性分の親父は、昔のスナックのマッチや、ゴルフのスコアブックとか。
折れたえんぴつも大事に保管しており、色んなものがいっぱいでゴチャゴチャです。
「親父はこんなものまで残しているよ。」って文句を言いながら片づけていたところ、話は、この家に引っ越してきた時の話に。
決して、裕福でなかった幼少期。中古物件ではありますが、親父からすると、高い買い物をしたのだと思います。
初めて、入った時は、それはもう、住めるのか・・・って感じのボロボロの家。
床はカビだらけで、壁は黒くなり、天井は煤だらけ・・・。
今は、ハウスクリーニングがあるので便利ですが、その頃はなかったので、引っ越し先を、大掃除するぞ!って親父の一言で、家族全員、バケツと雑巾を持っていったことが思い出されます。
そんな親父が、その日ばかりは、稲妻が走ったみたいに、バリバリ、テキパキと掃除をし、
そんな親父につられてか、みんな、一生懸命に床をみがき、壁の煤を払い、トイレを掃除し、庭の雑草も抜き、掃除したのが、ついこの前の様に思い出されます。
鼻の下に煤を付け、ちょび髭の親父を見て、みんなで大笑いしながら大掃除していました。
あの頃は、楽しかったなぁ。貧乏でしんどかったけど、みんなが一緒だったもんね。
そんな話をしながら、親父の部屋の押し入れをあけると、何やら、大事そうに奥の方に煎餅の空き缶があるじゃないですか。
兄弟揃って、不思議そうに開けると、中には、手紙がぎっしりと入っていました。
最初は、ラブレターかなにかと思い、中の手紙を見てみると、全部、父の日に僕があげた手紙じゃないですか。それも、広告の裏に書いた、なぶり書きの様なものまで。
なんで、親父はこんなものまで、保管しているのかって、その手紙を捨てようとしたら、親父の手帳が・・・。
1983年6月22日 ゆうじが、今日、父の日のプレゼントをくれた。6歳になって、初めて、読める字で書いてくれた。大きくなって、すごく嬉しい。来年は、どんなプレゼントになるか、すごく楽しみだ。ありがとう。ゆうじ。
こんな風に、毎年の親父の思いが書き溜めてあった。
他界する年まで。
2014年6月22日 ゆみこさんとゆうじから、父の日のプレゼントが届いた。
すごく気持ちよさそうな枕が届いたよ。
二人とも、元気で過ごしているみたいで、良かった。良かった。正月が楽しみだ。
妻が、僕に内緒で、プレゼントを送ってくれていたみたいです。
ずっと、僕のことなんて、気にもしていなかったと思っていたのに、親父が、そんな風に思っていたなんて、これっぽっちもなかった。母親からも、入院中もずっと、僕のことを気にかけていたよって聞いて、胸が熱くなりました。
今では、生前中に、行けなかった分、父の日には手紙を持ってお墓参りに行っています。
■編集後記■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ご応募ありがとうございました。今回も素敵な思い出をいただけて本当にありがとうございます。
当サイトは出来るだけ口コミを原文のまま載せています。
記述よりも、口コミ検索で見つけた時に、そこにあるその方の思いやハウスクリーニングの魔法の力が伝わるのかな?という思いからです。
今回のお話の中にもハウスクリーニングの魔法の力が隠されているかもしれません。
おうちをそうじすると、なんで人生が軽くなったり、明るくなったりするのでしょうか?
ハウスクリーニングナビ 口コミ編集部